【薬物動態談話会から訃報】特別会員の栩野 義博 先生がご逝去されました。

薬物動態談話会

会員の皆様へ

このようなご連絡を皆様にお知らせするのは誠に残念ですが、薬物動態談話会 特別会員の栩野 義博 先生が12月10日にご逝去されました(享年89歳)。

栩野(とちの)先生は和歌山県立医科大学をご卒業され大阪市立大学医学部で外科医を経験し、合わせて動物実験の世界で研究され、自己免疫が原因の1型糖尿モデル、NODマウスを開発されました。共同研究の縁で塩野義製薬に入社され長らく研究されました。その間、アメリカNIH、B. B. Brodieの研究室に留学されました。定年後は摂南大学教授に移られ、退官後は大阪大学医学部第二内科に籍を置かれて動物実験の指導をされました。

医薬品のP450の研究を発端に代謝・薬効に関する研究を通じて我々の薬物動態学に多大な貢献をされました。また、薬物動態談話会の特別会員として年会あるいは例会に積極的に足を運んでいただき、豊富な動物実験経験に関してのご助言を受け、研究者を暖かく励まして頂きました。

晩年になり体力が衰えてこられてもユーモアの精神を忘れない、また前向きな本当に尊敬できる先生でした。栩野先生のご逝去の報に接し薬物動態談話会として謹んでここに哀悼の意を捧げます。

2017年12月14日(金)
理化学研究所
薬物動態談話会会長 杉山雄一

2017.12.14.