談話会概要

薬物動態談話会の沿革、活動目的

名誉会長 加藤隆一

薬物動態談話会 沿革

薬物動態談話会の源泉は1972年に設立された安定同位体研究会にある。

当時、第一化学薬品(株)の部長の長谷川賢(故人)は、安定同位体の利用による薬物代謝研究の推進を目的として、日本化薬(株)の、質量分析の大家、宮崎浩(故人)と共に安定同位体研究会を設立した。研究会では2ヶ月に1回の東京における半日の会合と年1回の地方における泊り込み(一泊)による薬物代謝の発表討論が行なわれた。

当時の主要メンバーは長谷川賢、宮崎浩、進藤英世(三共)、佐野光司(第一製薬)であり、さらに山之内製薬、エーザイ、三井製薬、帝人など在京8社の研究者が約20名参加し、企業の研究者を中心に運営するとした当時としてはユニークな研究会であった。

安定同位体研究会はその後、参加企業の数の増加を見て、1976年頃には関西企業の参加を含めて19社となり、薬物代謝・開発の討議を中心とする研究会へと発展した。

1977年には加藤隆一が藤沢薬品(株)より慶応大学医学部の薬理学の教授となり、東京に帰って来て、安定同位体研究会の会長に就任した。

加藤隆一は薬理学者であり、医薬品開発、薬効・毒性・安全性における薬物代謝研究の重要性を強く認識して来た経歴から、安定同位体研究会のさらなる発展のために、その名称を薬物動態研究会とした。「薬物動態」なる用語は日本オリジナルであり、動は薬の生体内の動き(kinetics)を意味し、態は状態の変化(薬物代謝、drug metabolism)を意味する造語であった。

薬物動態研究会は企業の研究者を中心に運営されており、年1回の浜松での一泊の特別例会(後に年会とす)と年4回の月例会が、企業からの発表とアカデミアの先生方による特別講演・シンポジウムなどにより実施され、1983年には参加企業は50社におよび、ほとんどの大手製薬企業の参加を見るように発展した。

1983年にいたり、千葉大・薬学部の北川晴雄(故人)教授が世話人代表となり、薬物代謝研究の学会設立が検討され、東大・薬学部の花野学教授などの参加を得て発足し、学会の名称は加藤隆一の提案により、薬物動態学会となった。そこで薬物動態研究会は、学会と研究会の紛らわしさをさけるため、その名称を薬物動態談話会とした。すなわち、薬物動態談話会は企業の研究者の科学と交流・談話に重点を置く会とすることになった。

会長には引きつづき加藤隆一が就任し、企業から常任幹事、幹事が選任され、アカデミアからは特別会員として談話会を指導、サポートしていただくことになった。

薬物動態談話会は、その後、企業およびアカデミアにおける薬物動態の研究が医薬品開発における薬効・毒性・安全性を確保し、開発時間と投資の効率化のために、重要な役割を持つとの認識が高まるにつれて参加企業のさらなる増加を見て、現在、約80社が会員企業として活躍している。

また、1997年からは若手研究者のために毎年8月に2泊3日のセミナーを開催し、研究者間の交流を促進した。

この間の薬物動態談話会の主なイベントとしては、ISSX(International Society for the Study of Xenobiotics)第2回国際大会(神戸、1988年5月、会長、加藤隆一)を積極的に支援し、その成功に導いたことがあげられよう。

2010年にいたり、33年間会長を続けて来た加藤隆一が引退し、名誉会長となり、東北大・薬学部 山添康教授が新会長として就任された。

さらに、2012年には山添康が内閣府・食品安全委員会の委員になったので、東大名誉教授 杉山雄一が新会長に就任し、ホームページの開設など薬物動態談話会のイノベーション・発展が開始された。

薬物動態談話会の目的は広い分野の学問を把握して企業の医薬品開発における中心的役割を演じられる人材を育成することであり、企業人の努力を期待したい。

組織・構成員

組織図

本会は医薬品の開発および評価における薬物の生体内動態研究、更にその周辺技術に関わる人達により構成されております。

会員は、「一般企業会員」「特別会員」および「功労会員」から成り立っており、現在、約70社の一般企業会員と約70名特別会員および功労会員が在籍しております。

本会の幹事会メンバーとして名誉会長2名、会長1名、3名の常任幹事および、幹事会社8社(セミナー担当・会計担当・企画担当・庶務担当)から構成されております。

活動内容

年間スケジュール

年間の活動として以下の通り、例会(年4回)、年会およびセミナーを開催しております。

例会:年4回(1月、6月、7月、9月)
年会:例年11月に開催(1泊2日)
セミナー:例年8月に開催(2泊3日)