常任幹事挨拶

第一三共株式会社 渡邉伸明

2020年10月から常任幹事に加わりました渡邉です。

近年の薬は、安定同位体研究会設立当初の頃とは様変わりしたものが多く、新たなモダリティが創薬研究開発段階でも中心になりつつあります。そんな中、我々の薬物動態研究のやり方も、これまでのそれとは違ったアプローチや考え方、方法論が必要となってきています。しかし、依然として、薬効・安全性における薬物動態研究は重要なものであるという本質は変わらないと思っております。

この談話会は、皆さんそれぞれのゴールは違うかも知れませんが、それぞれの専門性や経験の中で思いついたアイディア、疑問や意見を、形式張らないで述べる、くつろいで会話を交わすことという<談話>を通じて、何かを新しく発見をする場だと思います。

私も薬物動態研究者の一人として、この談話会活動を通じて、面白いアプローチなどを見出すことができたら、うれしいと思っております。今後、会員の皆様といっしょに、いろいろ議論(談話)をしていけることを非常に楽しみにしております。よろしくお願いいたします。

 

エーザイ株式会社 小森高文

2021年6月より常任幹事を拝命しました小森と申します。

近年の医薬品開発では従来の低分子化合物に加え,抗体医薬やAntibody-Drug Conjugate(ADC)に代表されるバイオロジクス、DDS、核酸医薬、細胞医薬等の多様なモダリティへの戦略展開が日進月歩で急速に進んでいます。それに伴い、学際領域で幅広い知識と専門性を駆使する製薬企業の薬物動態部門の役割・活躍の場は益々拡がりを見せると同時に、それらを継続的に発展・実現させるためには、パラダイムシフトを見据えた戦略的な技術基盤構築・人財育成は喫緊の課題であります。一方、我々が捉える創薬モダリティが変わったとしても、高度な分析技術・多岐に亘るin vitro/in vivoデータを基に成される動態プロファイリング、IVIVE/PBPKを用いた定量的なヒトPK予測、PKPD解析による臨床推定薬効用量の予測等、薬物動態研究者の礎となる能力開発の重要性・必要性は不変と思われます。

歴史ある薬物動態談話会の伝統を引き継ぐと共に、産官学の先生方のご協力・ご指導賜り、日進月歩の医薬品開発のニーズに対応すべく最先端の知見・情報の交換の場、また、人財育成と人的交流の場として、本会が重要な役割を果たせますように微力ながら尽力させて頂きたく思います。ご意見・ご提案等ありましたら、是非ともお寄せ下さい。皆様のための薬物動態談話会です。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

武田薬品工業株式会社 平林英樹

2022年より常任幹事を拝命しました平林英樹と申します。

私は学生時代を含めますと約30年間、薬物動態研究分野でキャリアを積んできました。特に、企業における創薬研究の推移を、25年以上という長い期間について同分野から定点観測してきましたが、近年になって企業薬物動態研究は大きな転換期を迎えているのではないかと感じます。新規分子モダリティによる医薬品開発が台頭する中で、我々の求められる知識や技術、さらには創薬貢献のあり方は新たな様相を呈し始めています。それ故に、我々は常に新規技術にアンテナを張ることが必要になりましたし、その実用化研究が実際に、企業活動の中で大きな割合を占めるようにもなってきました。しかしながら、たとえ技術は革新されようとも、如何なる手段が用いられようと、それを基にした我々のミッションに大きな変化はありません。薬物の薬理作用機序や副作用発現機構を、薬物の体内における時間的、空間的および定量的評価によって、非臨床から臨床への『橋渡し研究』として創薬に貢献するという、永遠ともいうべき課題に変わりはないのです。つまり、薬物動態研究を温故知新的に発展させるべき時代が来たと実感しています。

この薬物動態談話会が、初学者からベテランの研究者に良き交流の場を提供しながらも、そこから新たな着想やイノベーションへとつながる機会になることを期待してます。まだまだ研究者として半人前の身ではありますが、薬物動態一筋の企業研究で培ってきた知識や経験に加えて、製薬業界で構築してきた人脈を、少しでも本談話会にお役立て頂ければ幸いです。私自身、新たな出会いに期待すると共に、今後の薬物動態研究を一研究者としても楽しみたいと思っております。
どうぞ宜しくお願い致します。

 

アステラス製薬株式会社 大石昌代

2022年6月から常任幹事を務めさせていただくことになりました大石です。このような歴史ある会に携わらせていただけることを光栄に存じます。

現職では創薬段階のModeling and Simulationに従事しており、以前は臨床開発部門にて臨床薬理試験の実施や母集団薬物動態、PKPD解析、承認申請に約20年間携わって参りました。

医薬品開発は激動の時代を迎えていますが、自身の経験からも、いかなる創薬、医薬品開発段階においても、薬物動態の基礎、Principleを正しく理解し、活用していくことの大切さを痛感しております。新しいモダリティの開発においても、しっかりとした薬物動態の基礎に裏打ちされた動態センスの重要性は益々増していると感じます。そのような中で、薬物動態談話会は、必須の基礎の習得から先端の応用についての議論までをカバーできる、実践的な場であると思います。

薬物動態談話会の活動が、会員の皆様のお役に立てるよう、精一杯尽力させていただく所存です。よろしくお願いいたします。

 

塩野義製薬株式会社 坂本真吾

2024年1月から常任幹事を務めさせていただくことになりました坂本です。

近年、様々なモダリティの医薬品が創製されており、基本的にはこれまでの薬物動態のアプローチや考え方で対応でき、動物からヒトへ、in vitroからin vivoへの外挿性は以前より高まっているものの、実際のヒトの薬物動態が想定とは異なる場合も多くあり、様々な面においてさらなる進化が必要と感じています。

薬物動態談話会は、例会やセミナーなどを通じて薬物動態の基礎から応用まで幅広い情報を収集できるだけでなく、多くの企業が参画していることから幅広い人的交流もできる良い機会です。薬物動態に関して会員の皆様で“談話”しながら、くすりの開発を進めるうえで解決すべき点をより早く解決できることに貢献できればと思っております。

本薬物動態談話会の運営に微力ではありますが精一杯関わり、私自身楽しみながら薬物動態談話会を盛り上げていくことに尽力して参ります。どうぞよろしくお願いいたします。

 

中外製薬株式会社 永易美穂

2024年1月より、常任幹事に新たに参加させていただくことになりました、永易(ながやす)美穂と申します。みなさま、どうぞよろしくお願いいたします。

近年の医薬品市場では生物学的製剤が売上上位の多くを占めていることから、薬物動態談話会に参加されている皆様も抗体、ADC、核酸、細胞性医薬品など、新たなモダリティの薬剤を扱う機会が増えていることと思います。

未経験の領域にはためらいを感じるかもしれません。しかし、新たなモダリティの薬剤に対する薬効・毒性の理解を深めるためには、体内動態の評価とその分析法の確立が重要です。さらに、動物実験やin vitroデータをヒトでの動態や薬効予測にどう繋げるかを考察することも必要です。これらのプロセスはモダリティに関わらず重要であり、従来の低分子化合物と同様だと考えています。“新しい”とはいえ、全く異なるものではなく、これまでの知識や経験を活かしつつ、他社の事例を新たな視点として取り入れて、新たなアイデアを創出し、評価系を構築していくことが可能だと信じています。

薬物動態談話会は、年齢や経験に関係なく、直接対話と議論ができる場所です。皆様と共に活気のある会を作り上げていきたいと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

住友ファーマ株式会社 渡邉貴夫

2024年から新たに常任幹事として加わりました渡邉貴夫です。
この素晴らしい機会をいただき、とても光栄です。常任幹事に渡邉が2人となりますので、下の名前も覚えていただけると幸いです。

薬物動態研究は医薬品の研究開発、投与方法の最適化、薬物療法の個別化に不可欠です。学際的な分野であり、さまざまな専門性が必要です。新しいタイプの医薬品やモダリティが増える中、関連する新しい手法や技術が次々と登場し、薬物動態研究に必要な専門性はますます広がっていると感じます。

薬物動態談話会は、さまざまな専門性を持つ方々が集まり、最新の研究や情報を共有する場です。同時に、これまでの薬物動態研究の成果を次世代に伝える役割も果たしています。私は常任幹事として、お互いに刺激・学び合える、より良い学びとネットワーキングの機会を提供できるよう尽力していきたいと考えています。そして、それが優れた医薬品を患者さんに届ける一助となることを願っています。

皆様のご意見やご提案をお待ちしています。お気軽にご連絡ください。
どうぞよろしくお願いいたします。